【前説】 裏遊戯×杏子×瀬人のカードネタを使わせてもらって遊んでみよう(w 我ながらアホな話を思いついたものだと思う……(;´Д`) 「フッ……。ゲームも終りに近づいてきたな、遊戯。フン、愛だと! そんなものは ただのまやかしだ! オレの完璧なテクニックの前では、そんなものは児戯に過ぎん!!」 海馬の声が低く走り、広いだけの何もない室内に反響した。 そこに在るものは、その声の主と遊戯、そして杏子の三人のみであった。―――否。 それだけではない。海馬と対峙する遊戯の間には、カードが並んでいる。 そして、その場のすべての者達は、何も身にまとってはいなかった。 なおも海馬は続けた。その声に、嘲笑が混じる。 「愛などオレは信じない。そんな幻想を信じるほど愚かではない!! くだらんな……」 遊戯を見据える海馬の瞳に、鋭い光が満ちた。 「愛などというものは、愚かな人間の、たわけた思い込みなのだ! それをこのオレが 証明させてみせるぞ、遊戯! そして、女!!! ワハハハハハハ!!!!」 女と呼ばれた杏子は、ひるむことなく海馬を睨みつけるが、当然海馬は意に介さない。 海馬の高笑いがおさまった時、遊戯は薄く笑んで言った。 「貴様に杏子は渡さないぜ、海馬! 愛こそが、オレに勝利をもたらすと確信している!」 「……遊戯!」 「待っていろ、杏子。このバトル、すぐに終わらせてやるぜ!」 「うん……うん、遊戯! ぜったい勝って!」 「ああ」 なにやらその場が甘さに満ちたと思われたその瞬間、海馬が声を張り上げた。 「愚か者め! だから貴様は甘いと言うのだ! バトルの続きだ。いくぞ、オレのターン! ドロー! フフフ……魔法カード「巨大化」発動!!」 ―――「巨大化」!! 遊戯は思わず息をのんだ。 海馬の股間に熱が集まり、見る間に大きくなっていく。 それを見た杏子が、泣きそうな声でかぶりを振った。 「む……無理、無理だよ! ぜったい無理!! あ……あん……あんな大きいの 私に入るわけないじゃない!! 無理よ、死んじゃう……!」 「安心しろ、女! あらゆる場合において、オレのテクニックは完璧だ。ククク…… 女……貴様は死ぬと言っても、ベつの意味で昇天するだろうよ! そして、まだ オレのターンは終わっていない。リバース・マジック発動!! 「催淫」!! ワハハハハハハハハ!!!!! 女! オレのバーストストリームをくらうがいい!!」 海馬が勝ちを確信した、その時。遊戯の声が、室内の空気をふるわせた。 「残念だったな、海馬。そうはいかないぜ! リバース・トラップ発動! 「萎え画像」!! 貴様がもっとも萎える映像を見せつけるカードだ。このターン、貴様の攻撃は封じられる! 杏子には指1本触れさせない!!」 「……何だと!? ……ク! おのれ…・・」 海馬がうめき、怒張した海馬自身が力を失っていく。 「さらにリバース・カードオープン! これで終わりだ……「ラブ・アンド・ピース」!!」 「な、なにぃ!!!」 「愛を信じない貴様には効果絶大だ! ラブソング攻撃で撃破する!!!」 室内に目もくらむほどの光が満ち、大音響であらゆるラブソングが響き渡る。 ダメージを受けた海馬が、がくりと膝をついたそのとき、勝負は決まったのであった。 嬉しそうに笑って走り寄り、杏子が遊戯を愛しげに抱きしめた。 豊かで、柔らかな胸の感触、杏子の身体から匂い立つ優しい香りを感じながら遊戯は 静かに笑う。そして、立ち直れない海馬に向かって、笑んだまま力強く言った。 「……愛は何よりも強いんだぜ、海馬!!」 終 |
2004年6月13日うp